FTの株式投資講座 > 投資の教訓 > 9 長い低迷相場の後の上昇時に空売りはするな

9 長い低迷相場の後の上昇時に空売りはするな


 95年阪神大震災、サリン事件などもあり前半は弱気一色、7月までに14000円台まで下落、

 空売りで儲けが出る時期でした。7月7日から上昇相場が始まり、9月には18000円レベル

 まで上げたと思います。

 その後1か月半くらいもみ合いが続きました。強気で2万円説を唱える者あり、過熱感から暴落

 を予測する者あり、様々でした。私はこの上昇で少し利益が出ていて、利食いをした後に悩みま

 した。下げ相場が長かったので、どうしても強気になれずに迷っていました。その時ある本を購

 入し読んでみると、14000円を割り込む暴落が来るという予測に説得力を感じ、売りから入

 ろうという立場に傾いていきました。

 その本を書いた団体は以前の本でぴたりと14000円までの下落を当てていて、そのことが

 自分の考えに自信を与えていたようです。日経平均のベアファンドを購入し、さらに大きく上げ

 ていた三協精機という株を770円で3000株空売りしました。売りポジションを持った時は、

 「買いしか能がない初心者はどんどん買え」、「私は冷静に過熱を読んで売っている少数派だ」

 などと愚かな勘違いをしていました。

 株価は一旦下げましたがじりじり上がっていき、とうとう翌年一月には20000円をつけることに

 なってしまいました。正月空けの大発会で日経は棒上げして、やっと翌日売る決心がつきまし

 た。空売りの三協精機は1000円を超えて、毎日株価が気になってもなかなか買い戻す決心が

 つかず、結局、4月になってやっと決済しました。920円くらいだったでしょうか。

 今ならとっくにロスカットしていて痛手は少ないはずですが、当時は明日から流れが変わるか

 もという希望だけをたよりに、ずるずる持ち続けていたのが、最悪の結果を招いたわけです。

 長い低迷相場の後は、こういった過ちをしがちです。当時もどう考えても20000円にいくよう

 には思えませんでした。よくチャートをみて、売りから入って間違ったら、180度方針転換して

 買いから入るくらい柔軟に考えたほうがよいと思います。個別株でも同じことが言えるはずで

 す。