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1 紙くずになるリスクを考えよ

 

 下方修正もショックは大きいですが、倒産する株をもし持っていたら・・・。

 倒産企業を買った苦い経験は、一度だけあるのですが、それ以外でも山一證券やヤオハンなど

 も持っていたので様々な経験をしてきたということになります。

 最初の頃でよかったと今は思いますが、今後も絶対にないわけではありません。

 中国株なども売買停止ということもよくありますので。

 では、その時の様子を書いておきます。愚かな投資家だと思って下さって結構です。

 日本データー機器という店頭株ですが、忘れもしない95年1月31日、当時取引をしてい

 た日興證券から6時ごろ電話がかかってきました。

 「日本データーが和議申請です。」「えっ倒産ということですか?」「そう考えたほうがいいと思

 います」

 私は以外に冷静でした。どうするかと聞いてきたので、ストップ安で毎日売りを出しておいてく

 ださいと言って電話を切りました。当時はインターネットもやっていなかったので、情報は新聞

 や雑誌しか持っていませんでしたので、全く予想もしていませんでした。何しろ当日の株価は

 1450円くらいだったと思います。

 後日16円くらいで1000株売れたと連絡がきました。当時の雑誌やアナリストも業績好調、仕

 込み時などと書いていて、まさか低位の株でもないので大丈夫だろうと安心していました。

 実は、以外に冷静でいられたのは理由が二つあります。

 一つは、それまでにこの株で何度か利益を上げていたこと。

 もう一つは、5日か6日前に持ち株3000株のうち2000株売って50万くらいの利益を上げて

 いたことです。2000株はナンピンしたもので、「少し持ち株多いなぁ」と思って1650円で利

 益確定しておいたんです。もし、これをそのまま持っていたら、今頃株をやっていないか

 もしれません

 「売っておいてよかったー」と思うとともに、この失敗は「まだまだ投資というものは甘くないぞ」

 というメッセージだと目覚めるきっかけになったのです。それからは売上げと利益は順調に

 増加していても、売掛金と借入金も増加しているかをチェックするようになりました。

 少し前の日本コーリンもやはりそうでしたね。

 投資の鉄則に書いたように「我々は逆境を通じて賢くなる。」ということです。

 結局、いくら調べてもいつ倒産に追い込まれるかはわからない部分もあるので、500万も

 600万もリスクのある銘柄に投資はしないように心がけています。

 再起不能にさえならなければ、明日も相場はやってきます…。